本記事で紹介するのは「アナブキ」という大阪・船場の丼池筋にある卸問屋だ。

<マップの赤い線の部分が丼池ストリート>
船場センタービル7号館と8号館の間の筋を南側にでる。船場センタービルを背に歩道を渡り、少し進み左手に見えて来る卸問屋がアナブキだ。
こちら↓↓↓がアナブキの外観。

レトロな外観にわくわくするのは私だけだろうか。(ちなみに店内にある「船場あなぶき」の垂れ幕は服飾学生が描いてくれたそうだ。)
アナブキは創業60年以上の卸問屋。
店主は中学校卒業後、丁稚奉公(でっぼうこう)からはじめ、当時の経営者からアナブキを受け継いだそうだ。
現在は、店主と御子息で経営されているのだが、お二人とも気さくで話しやすい。
製造メーカー直仕入れの卸会社
アナブキは製造メーカーから直接仕入れた生地・布を卸問屋に卸す。
その専門性は高く、特にウールを得意とする。
また、取引メーカー数は500以上。卸問屋に限らずアパレル業者も買い付けに来るそうだ。

アナブキの生地・布
ウールの宝庫
アナブキはウール・柿渋染・綿・麻等幅広く扱っているのだが、ウールの品揃えは特に抜群だ。









※画像はほんの一部で、お店にはもっと沢山のウールがある。
柿渋染・べんがら染・藍染布
先にウールを紹介したが、柿渋染・べんがら染布・藍染布もアナブキの主力商品の一つだ。これらは店主が一枚一枚手染めして作ったもので、アパレルメーカー等にも卸している。
<柿渋染>


柿渋染は、化学染料のない遠い昔、千年以上も前から染められていました。…柿渋の液は、柿の実を収穫して三年以上発酵熟成された液を使用し、天日に干すことで色がでます。
生地を強くし、水をはじく特徴を持っています。
[アナブキでは]できるだけ自然に近い技法で化学薬品を使用せずに染めています。
アナブキホームページ「染物のご紹介」より
<べんがら染>


<藍染>

コロナ前は、べんがら染や藍染などの手染めワークショップもあったそうだ。収束したら是非参加してみたい。
綿・麻



秘密の場所
さらっと店頭にある生地・布を紹介したが、まだまだある。
どこにあるのか。
答えは〜。
床下にある地下倉庫❗️

(この階段の急さがまたレトロで良い味だしている。)
この地下室はアナブキの床下一面に広がっていて、大量の生地・布が置いてあるそうだ。
店頭にお目当てのものがなくても地下に眠っている場合があるので、店主に聞いてみることをおすすめする。
卸問屋体験
アナブキはワゴン品を除いて商品に金額を書いていない。
ではどうするのか。
これがとてもユニークで面白い。
「これなんぼ?」と聞かれた時は相場の値段を言うが、「これを〇〇円で買いたい」と希望を言うとそこから交渉で決まるとのことだ。(金額を公表するのは控えるが、ウールを〇〇〇円/m(超破格値)で売ったこともあるそうだ。)
「これが卸問屋流」とのことだ。
もちろんこの交渉は一般客でもOKとのことなので欲しい生地がみつかったら、是非相談してみてほしい。
※ただし、あまり失礼のないように気をつけよう。また、交渉で金額が決まれば必ず買うこと。
取り扱い商品
- ウール
- 綿
- 麻
- ベンガラ染、藍染、柿渋染
- 他
基本情報
店名 | アナブキ |
所在地 | 大阪府大阪市中央区久太郎町3-1-16 |
営業時間 | 9:30~17:30 |
定休日 | 日曜・祝日・不定休 |
決済方法 | 現金 |
電話番号 | 06-6251-2712 |
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